名を残す銃

 

 対ソ連戦でモスクワから撤退を始めたドイツ軍、これをきっかけに東からソ連軍が侵攻。また、西からはフランスのノルマンディを糸口に、アメリカ、イギリス、フランスの連合軍が、ドイツの首都ベルリンを目指し侵攻、左右から挟み撃ちにされたドイツは、もはや敗戦の一途を辿るのみであった。
  そこで、ヒトラーはこの悪戦況を打開する為、新兵器でイギリス本土を空爆。これが世界初の報復兵器V2ミサイルである。このV2ミサイルは音速で飛来する為、当時の迎撃システムでは打ち落とすことは不可能であり、術も無く攻撃を受けるしかなかった。しかしドイツ軍にとって、連合軍の侵攻スピードは予想より遥かに早く、ミサイル基地は次第に爆破され、ミサイルの生産量は落ちていった。しかし、この新兵器にはまだ続きがあった。ヒトラーは原子爆弾の開発をも進めていたのであった。 
  1945年4月22日、ドイツの原子爆弾が完成する前に、ソ連軍がベルリンに突入、官邸を包囲した。この時点で敗戦を悟ったヒトラーは、1945年4月30日、ソ連軍の包囲網に置かれたベルリンの総統官邸で、自分の拳銃を使い自決した。この事件をきっかけに、一つの拳銃の名が世界中に広まった。ワルサーP38・・・ヒトラーが自殺するのに使われた銃として。
 1945年5月2日、ついにベルリンが陥落する。独裁者を失ったドイツは降伏せざるを得ず、5月7日に無条件にて白旗を掲げた。

 

 

 

inserted by FC2 system