Vario-Tessar:バリオ・テッサー

 

 「バリオ」は英語のバリアブルに当たる言葉で、可変という意味がある。つまり可変テッサーということであるから、焦点距離を変化できる光学系。早い話がズームレンズということ。100年の伝統あるテッサーの設計に一味加え、カール・ツァイスは新しいズームレンズ商標”Vario‐Tessar”を新たに取得した。
 もともと100周年を記念しての新しいプロダクトは上がっていた。コンパクトカメラの為のズーム光学系はデジカメなどからの市場圧力もあり、現在のレンズシャッターカメラ設計の為には更なる小型軽量化を可能とする光学系が必要とされていた。ドイツのケルンで行われた”Photokina 2002”で発表された新製品”
T-zoom”は、1902年からのカール・ツァイスTessar特許の100周年記念を数える年に生まれた新規光学系の"Vario-Tessar"を装備する最初のカメラである。
 カール・ツァイスに与えられた設計基準は、明るさを保てる適度なレンズF値(F4.5-8)、適度なズーム倍率(x2.5)、そして地球に優しい設計であった。誕生したのは"Vario-Tessar T* 28-80mm F4.5-8"を搭載した”T-zoom”である。0.5mまでのクローズアップ、28mmまでのワイドアングル、そしてコンパクトで手頃な価格を実現した。バリオ・テッサーのレンズデザインは、テッサーの基本4枚に3枚加えた7枚構成。基本4枚の前後に非球面レンズを配し、前玉は歪曲の補正、後玉は全長の短縮化に貢献している。全てのレンズが高品質光学ガラスで作られているのはもちろん、材質は環境を考え現代にマッチした”ECO-Glass”であり、ヒ素と鉛を含んでいない。

  

 

 

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