Vario-Sonnar:バリオ・ゾナー

 
 

 「バリオ」は英語のバリアブルに当たる言葉で、可変という意味がある。つまり可変ゾナーということだから、焦点距離を変化できる光学系。早い話がズームレンズということ。優秀なゾナーの設計のそのフレキシビリティさが生んだ副産物なのである。ツァイスのズームレンズは交換レンズはもちろん、コンパクトカメラのTvsを含め全てバリオ・ゾナーと命名されている。
 交換レンズ初期バリエーションの40-80/3.5、70-210/3.5の2本は西ドイツ製であったが、現行のラインナップは全て日本製となっている。また、Tvsシリーズに搭載のバリオ・ゾナーには小型ながら非球面レンズを採用し、高性能を発揮している。20世紀末からのニュープロダクツ、Nマウント用レンズには単焦点よりバリオ・ゾナーの本数の占める割合が高い。ここでも非球面レンズを多数用い、収差補正と全長の短縮に大きく貢献している。その他バリオ・ゾナーには簡易マクロ機能を搭載したものも多く、設計の古いものはワイド側、新しいものはテレ側で使用可能であり、絞りリングすぐ上のギアを切り替えてマクロ側に入れたり、スイッチ切り替えたりして使用する。

 その他、AFレンジファインダー機G2専用に用意された35-70/3.5-5.6や645用の45-90/4.5など、バリエーションは更に続く。
 余談ではあるが、最も倍率の高いバリオゾナーはヤシカCONTAXマウント用の35-135/3.3-4であり、3.9倍の高ズーム比を誇る。バリオ・ゾナーはCarl Zeiss JenaブランドでM42マウントの製品も多く、ドイツ(DDR)製の物はそれなりに性能も高いが、中にはイエナのロゴが青色のトキナー(現ケンコー)社のライセンス生産のリーズナブルな物もある。

 

 

 

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