RTSって何?

 
 

 銀行の預貯金の出し入れの場合、ATMのボタン操作ひとつで即時に元帳へアクセスして現金の支払いから残高照会まで人の手を借りずに作業を完了する。これはセンターのホストコンピューターが常に待機状態にあり、同時に多方面から入る入力をほとんど即時に処理し応答できるからである。
 この電子計算機の即時対応システムはリアルタイムシステム(REAL TIME SYSTEM)と称されている。1975年の当時、即時に対応するスペックは電算機にとどまらず、写真も含めた現代社会の潜在的ニーズであった。
 写真とは本来、撮影者の感情の発露であり、美しいと感じた瞬間、またドラマを感じた瞬間を正確に再現したいという撮影者の動機に最も忠実に応えるものである。このことをメーカーの立場で再認識し、新システムのカメラボディ開発のテーマとした。
 瞬時に即答し、撮影者の感情をできる限り再現する新しい映像の考え方「リアルタイム・フォトグラフィー」を可能にすること。この基本条件は操作性であり、撮影情報の正確さでもあり、つまり速写性にあるとも言える。撮影者の主観を尊重した上での自動化と、この基本を出来る限り追求したカメラがCONTAXの定義するリアルタイムシステムであり、Real Time Syatemの頭文字をとったRTSなのである。
 RTSはその時代のハイエンドボディだけに許された称号で、ヤシカ時代である1975年発売の初代から1982年発売のU型、そして京セラが開発したセラミック圧板、RTV(リアリタイムバキューム)搭載のV型まで、その瞬時応答のコンセプトは脈々と受け継がれている。

 

 

 

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