旧コンタックスのビオゴンの互換性とは?

  

カールツァイスイエナ(Carl Zeiss Jena)ブランド
ビオゴン35mm

カールツァイス(Carl Zeiss)ブランド
ビオゴン35mm

戦前ドイツ製のU型とV型には着くんだけど、西ドイツ製のUa とVaには着かない・・・・・

そんな話、聞いたことありませんか?一体何のことなのか?

カメラ屋で聞くのもちょっぴり恥ずかしいし、別にG1とG2使ってるから関係ないし・・・

でもやっぱり知りたい! そんなアナタの為に、このページをご用意しました。

そう、これはJENA(イエナ)製のビオゴン35mmに限ったお話なのです。

35mmビオゴンには、戦前ドイツ、東ドイツ製のJENA(イエナ)ブランド、

OPTON(オプトン・・・西ドイツがカール・ツァイスの商標獲得前)ブランド、

そして真打、西ドイツ製のCarl Zeiss(カール・ツァイス)ブランドがあります。

以上3つとも白色鏡胴で、ブラコンにマッチする黒い鏡胴のビオゴンはありません。

ブラコンが発売された時は、28mmF8という小口径テッサーが広角を担いました。

余談ですが、この3種類のブランドのビオゴン中ではカール・ツァイスが最も人気で、

中でもフィート表記よりメートル表記が珍重されています。

さて、余談はこれくらいにして本題に入ります。

戦前でも戦後でも、JENA製ビオゴンは西ドイツ製Contaxには着きません。

誤って装着すると、レンズ後玉を傷つけます。

同じ35mmでも、オプトンとカールには関係ありません。

 

戦前ドイツ製 Contax
T

戦前ドイツ製 Contax
U型,V

西ドイツ製 Contax
Ua型,Va

Carl Zeiss Jena
×

Zeiss Opton,
Carl Zeiss

さて、何故このような関係になるのか・・・

西ドイツで新たにボディが設計された時、フランジ内の構造が若干変わっています。

それに応じて、35mmビオゴンも新規に設計されました。

それでは、写真にてゆっくりご案内致しましょう。

ちなみにT型との相性ですが、着けて着かないことはないのですが、

前面にある巻き上げレバーと接触しそうになるので、推奨はできません。

 

 

これがJENA製ビオゴン。 左が戦前タイプで、真鍮にクローム鍍金され、ずっしりと重い。

カメラに装着した時は絵になるのだが、レンズがノンコートの白玉であるがのが難点。

フレアは出やすいものの、味のある絵が撮れると言われている。

現在、ほとんどのガラスが曇ってしまい、クリアな物は貴重である。

右が戦後タイプ。戦争が終わり、戦闘機の需要がなくなれば、

物資が無い時代だったので、必然的に余ったジュラルミン製となる。

手に持った感じは少々軽く、鍍金もされていないので高級感に乏しい。

しかし、レンズにはコーティングが施され、コントラストが大幅に向上。

質感はともかく、実用ということでは戦前より上。

  

 

これが西ドイツ製ビオゴン35mm

左がオプトン、右がカール・ツァイス。大きく外観や仕上げは変わらない。

但し、戦後間もない頃に作られたオプトンは、一部材料が悪い物も若干存在する。

  

東西ビオゴン35mmを比較してみる

東ドイツで作られた物は、後玉が大きく突出しているのが分かる

 

 

上から見ると、後玉の大きさの違いがよく分かる。

イエナ製は戦前戦後に関係なく、右側のように後玉が大きい。

このため、物理的に西ドイツ製のUa,Vaには装着できない。

  

  

U型(左)とUa型(右)のフランジバックの中を比較してみよう。

左のU型に比べ、右のUa型のフランジは上部が浅く、

イエナ製の大きな後玉はここに当たってしまう。

 

これはご法度である、UaにJENAビオゴンを装着しようとした時。

赤い矢印部分(レンズ後玉の縁)が接触してしまい、

レンズが奥に入っていかず、装着することができない。

シャッター幕が傷つくという説はウソ。幕までレンズが達しない。

(良い子の皆さんは絶対に真似をしないで下さいね)

   

   

結論として、戦前戦後に関係なく、イエナ製ビオゴンは戦後のUa,Vaには着かない。

どうですか? ビオゴンの互換性についてご理解頂けましたか?

最後にビオゴンのお作法を1つ。

着脱時は必ずボディもレンズも無限遠にセットしてからどうぞ。

  

 

 

 

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