Makro-Planar:マクロ・プラナー

 

 近接撮影用に開発されたマクロレンズ。以前、ツァイスのマクロレンズは西ドイツ製で”S−Planar”という名称であったが、現行品は”Makro−Planar”として日本国内で生産されている。光学系は諸収差を良好に補正しながらもF2.8の明るさを確保。前後対象光学系のプラナーを採用することにより、撮影倍率が高い為に必要とされる情報量の高さと、プラナーならではの綺麗な背景のボケ味を両立している。現行発売は全て国産品で、35mm一眼レフY/Cマウントレンズは60mmF2.8と100mmF2.8の2本、ミドルフォーマットの645向けの120mmF4を含む合計3本(ハッセルブラッドを除く)がある。自慢のスムーズなヘリコイドで、等倍までの撮影が可能である。60mmF2.8のみ、等倍までの撮影は必要無いユーザー向けに、1:2までの撮影に限定したCタイプがある。CタイプはMM(マルチモード)対応。通常タイプより繰り出し量が少ない為に、ヘリコイドが小型で持ち運びにも便利である。
 光学設計は、60mmF2.8は2枚ずつ計4枚の綺麗な前後対称系。焦点距離の長い100mmF2.8はPlanar100mmF2に類似した光学系で、前半分の3枚がゾナー系で解像度を稼いでおり、後ろはプラナータイプらしく同じく3枚で対称に近い形に持って行っており、最後の1枚の凹レンズが繰り出し時の周辺確保に一役買っている。645用の120mmだが、新しい設計ながらも温故知新なレンズで、絞りを境に60mmと同じく綺麗な対称形であり、その後ろに存在する2枚の併せガラスが中判に必要なイメージサークルを稼いでいる。

 


 

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