RTSチェック項目

 
 

 製造から約25年を数えるRTSは、修理用の交換部品も払底しており修理は難しいと考えたい。クオーツを搭載していない為、シャッター秒時のバラつきはあるが、ポルシェのオリジナルデザインは捨て難く、今でも絶大な支持がある。完動品である確率は決して高くはないが、それでも使ってみたいと言う方は下記事項をチェックしてみよう。アキレス腱はファインダー内に集中しているので、見落とさないように。

 

 以前は強引に頼めば修理してもらえたRTSも、現在では修理は絶望的。巻上げ時に鳴きが出る個体が増えているが、実用上問題無い。Aモード(絞り優先)時に高速が出ていないことが多いので、フィルム感度を3200にして明るい方に向けてシャッターを切り、高速をチェックしたい。30年以上を数えるご老体なので、あまりシビアに考えず、元祖ポルシェデザインを楽しもうではないか。

 

@BCランプ

 バッテリーチェックボタンを押して、トップカバーにあるランプが点灯するかどうか。ランプが切れていても、実用には差し支えないが、”価値”という部分では大きく下がってしまう。

 

Aセルフタイマー

 セルフタイマーが正常に作動するかどうか。RTSは機械式なので、故障しているケースは実に多い。@の方向にレバーを動かして、Aのスイッチにてスタートする。全く動かなかったり、動いても元気がなかったり様々なケースがある。セルフを使う頻度は高くないので、実際の撮影には影響しないが、これも”価値”という観点では、大きく下がってしまう。

 

B秒時チェック

 RTSはコンタックス電子カメラで唯一クオーツ(水晶発信機)の搭載がない。計測器がないと全て正確に測定はできないが、4秒、2秒、1秒を腕時計の秒針を見ながらチェックしてみよう。慣れていれば1/2、1/4、1/8、1/15、1/30秒は音で聞き分けられる。また、高速の1/2000は正確に出ているケースはメーカー調整をしていないかぎりほぼ望めない。高速時、先幕テンションが弱い為に幕が開いていない場合は問題があるが、この機種に関しては幕が開きさえすれば1/2000は良しとしなければならないだろう。高速域の幕のスリットが開いているかをチェックするには、ウラブタを開けた状態で光にかざしてシャッターを切ってみれば分かる。

 


C露出補正警告

 ファインダー内に露出補正を使用すると、右側の画像のように丸い警告マークが出る。これが出なかったり、出たままになっているケースが多い。ファインダーを見ながら、露出補正ダイアルを廻してみよう。実用に差し支えなくても、これは結構ユーザーに嫌がられる故障だ。

 


DAE表示LEDの点灯

 ファインダー右側の赤いLEDが上から下まで全て点灯するかどうか。1/60秒を境にスロー用と高速用とアンプが異なるので、必ず両方チェックしておきたい。点灯しない箇所がある場合、ほぼ修理は不能と考えて間違いないだろう。

 


Eマニュアル指標

 ファインダー右側にあるマニュアル時のシャッタースピードを示す緑色の指標が、シャッターダイアルの動きに連動しているかどうか。表示がズレていたり、全く動かないケースも多いので注意したい。実用に差し支えなくても、これは結構ユーザーに嫌がられる故障だ。


F絞り指標

 レンズの絞りとファインダー上部の緑色の指標の表示が一致しているかどうか。表示がズレていたり全く動かないケースもあるので注意したい。実用に差し支えなくても、これは結構ユーザーに嫌がられる故障だ。

 

 

 

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