139Quartzチェック項目

 
 

 小型軽量で見やすいファインダーで人気のある139Quartzは意外とタフで、現在でも修理が高い確率で可能である。メインアンプはともかく、シャッターユニットなどの交換部品も未だに残っていることは意外と知られていない。部品が多く残っているのは、耐久性の高い証である。クオーツ回路を搭載しているので、シャッター精度は充分信頼できる。この機種のアキレス腱は、ズバリ巻き上げのハンガースプールと露出補正ダイアル。巻き上げ予備角が出ていれさえすれば、他に大きな落とし穴はあまり無いようだ。

 

 不死身の139Qもここに来て長年の疲れが出始めている。シャッターの精度はクオーツ回路さえ元気なら信頼できる。基板が元気かどうかだが、シャッターダイヤルを1つずつ回し、それぞれの値がファインダー内の点灯個所と一致するか丹念に調べる。これが一致しなかったり不安定だと、基板系のトラブルで修理は難しい。ただ、RTSのように修理の絶望域にはまだ入っていないので、症状によっては改善できる望みもまだ残っている。

     

@巻き上げ予備角とAEロック


 139の中では頻度の高いトラブル。言わば”アキレス腱”であるハンガースプールの破損。上段右のように”パチン”と止まる巻上げ予備角なるものがあるが、止まらないケースがある。止まらないと実用に大きく差し支える。下段右のようにAEロックレバーを黄色い矢印のロック側に投入するのだが、巻き上げレバーと連動しており、予備角の状態でないとロック位置には固定できない。ロックの状態にしていても、電池の消耗を妨げる為、上段左のように巻き上げレバーをリセットすると、下段左のようにAEロックが解除される。巻き上げレバーがブラブラの状態であると、AEロックはもちろん、コマ間にも狂いが出やすいので注意したい。12,000円程度でメーカー修理も可能なのが嬉しい。

 

A露出補正ダイアル

 正常な動作を先に述べよう。画像内左下のロックレバーを赤い矢印の方向に押し上げると補正ダイアルが廻る。ロックレバーに関係なく廻ったり、通常×2の位置から1/4の位置までで止まるはずなのに、1周グルっと廻ってしまったりするのは故障。

 

B多重露光

 黄色いサークルの中のレバーを押し上げながら巻き上げをすると、カウンターが進まずに多重露光になる。時折カウンターが進んでしまったりするので、一応チェックした方が良い。

 

 

 

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