Distagon
このディスタゴンの名はディスタンス(距離)とゴン(GONIO:大きな角度)という言葉の合成から成っています。 基本的に広角レンズというのは前後対称な程、高性能なレンズを設計できるのですが その設計では後玉が出てしまい、1眼レフにはミラーボックスがある為使えません。 このディスタゴンはミラーボックス内のフランジバックを稼ぐ必要があって焦点距離が短いのに 後玉とフィルムの間隔を長くとらなければならないというかなり矛盾した条件の上で成り立っているレンズなのです。 そんな困難な条件の中、高性能なレンズを設計したのは、コンピュータによるレンズ設計法の「グラッツェル法」や あのホロゴンで有名な天才設計者、エアハルト・グラッツェル博士による設計です。 Y/Cマウントにはグラッツェル自身による設計のレンズも数多く、 Distagon 15mm F3.5、Distagon 18mm F4、Distagon 28mm F2、Distagon 35mm F1.4 等が彼による設計です。 描写の特徴は千差万別、1つ1つのレンズの種類ごとに大きく異なります。 全てに一貫して言えることは、絞り変更時のピント移動が非常に少ないことぐらいでしょうか。 個人的には、Y/Cマウントの中で最も個性豊かなシリーズがこのディスタゴンだと思います。 |